水分を調整する心臓と腎臓に異常がある

具体的な症状の現れ方
A. 月経が始まると、両足がむくむようになる。立っていると、とくにひどくなる。
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B. 寒い空気にあたったり、感情が変化したり、などをきっかけにむくみがおこり、数時間から2〜3日で消えることを繰り返す。
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C. 目にみえる、おもな症状はむくみ。とくに目のまわりが腫れ、まぶたが重くうっとうしい。朝は顔ぜんたいが腫れることもある。症状が進むと、足もむくむようになる。
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D. 夕方、足がむくむ。だんだん一日じゅうむくむようになり、食欲がなく、おなかが張った感じがある。ひどくなると全身がむくみ、腹部にまで水がたまる。
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◆考えられる変調・病気
 むくみは、からだの組織が必要以上に水分を含んだ状態になるとおこります。体内の水分の多くは血液に含まれていて、心臓からおくりだされ、腎臓でろ過されて、余分なものは尿となってからだの外にだされます。ところが、むくみをおこしているところでは、毛細血管からもれでた水分が、組織の内部や細胞と細胞の間ににじみこんで、水浸しのようになります。むくみとは、からだの水分調整がきかなくなっている状態であるといっていいでしょう。
 むくみというと、まず心臓と腎臓の病気を考えなくてはいけないのも、この二つの臓器が、からだの水分(血液)の調整と深くかかわっているからです。なおむくみには、指で押すとへこんだままになるもの(腎臓病、心臓病、肝臓病などによっておこるもの)と、指で押してもへこまないもの(甲状腺機能低下症、膠原病などでおこるもの)があります。
青信号@ 月経になると、足がむくむ女性がいます。とくに立っているとひどくなり、横になって安静にしているとなくなります。これは突発性浮腫といって、中年の女性に比較的多くみられるものです。腎臓病や心臓病など、ほかにむくみをおこす病気がない人でしたら、あまり心配しなくてもいいものです。
 なぜ、このような浮腫(むくみ)がおこるのか、はっきりしていませんが、低血圧やホルモンのバランスにみだれがある人に多いといわれます。
[対策]
水分や塩分を余分にとらないようにするくらいで、とくに治療は必要ありません。むくみのあるときは、立ち仕事を少なくするといいでしょう。どうしても心配な場合は、かくれた病気がないか、医師に相談して検査を受けてみるのもいいでしょう。
[受診]
内科・内分泌代謝科

黄信号A からだのさまざまな部分にとつぜんむくみがでて、しかし痛みやかゆみはなく、数時間から3日ほどでしぜんに消えるような症状があったら、血管神経性浮腫を考えてください。
 別名クインケ浮腫とよばれるこの病気は、からだの深部におこる、じんましんの一種と考えられています。血管の運動をコントロールしている神経のはたらきが高ぶって、毛細血管から水分がもれておこるといわれますが、ではなぜそのような神経の高ぶりがおこるのか、原因ははっきりしていません。
 このむくみは、冷たい空気にふれたときや、感情の変化、ケガなどがきっかけとなっておこり、消えてもまた再発を繰り返します。若い人の顔や手足に、よく発生します。直径は数センチで、丸くピンと張っていて指で押してもへこみません。
[対策]
医師の治療には抗ヒスタミン剤が使われますが、あまり有効な方法がないともいわれます。
[受診]
内科・内分泌代謝科

赤信号B 朝、おきたての顔がむくむのは、だれでにでもあること。しかし昼になってもむくみがとれず、とくに目のまわりが腫れてまぶたが重く感じられたら、腎炎(糸球体腎炎)かもしれません。腎炎のむくみは、おもに顔にでるのが特徴です。
 腎臓のなかには糸球体というものがあり、動脈から枝わかれした毛細血管がからみあい、糸の球のようなかたちをしています。血液がろ過されるところですが、ここに炎症がおこると腎炎になります。腎臓の組織がひろい範囲で破壊されると、尿があまりつくられなくなり、そのため、水とナトリウム(塩分)が体内にたまるようになります。
 まぶたのように、脂肪組織や筋肉が少なくうすい部分は、とくに水分がたまりやすいのです。腎炎はカゼなどの感染症のあとにおこることが多く、症状としては、むくみのほかに高血圧と血尿がみられます。急性の腎炎は、初期にきちんとした治療をすれば確実に治りますが、それをおこたると慢性化することがありますので気をつけてください。
 また、腎臓病のなかでもネフローゼ症候群は、とくにむくみの強い病気です。糸球体と尿細管に激しい変化がおこって、高いたんぱく尿をだすのが特徴です。尿からたんぱく質がでると、血液はたんぱく質不足になり、浸透圧(しみとおる圧力)が強くなります。その結果、毛細血管から水分が組織のすきまへしみでてしまうのです。
 むくみは顔だけでなく手や足にも現れ、あおむけに寝ていると背中も腰もむくみます。おなかにも水がたまり(腹水)、頭の皮にまでむくみがでることがあります。
 腎臓は静かな臓器ですから、あまり痛いとか苦しいとかいいません。症状がでたときは、かなり病気が進んでいるとこがあります。とくに腎不全のように尿が少なくなったり、でなくなったりする病気は、血液中に有害物質がたまって尿毒症をおこすと「尿の出方」には気を配りましょう。
[対策]
腎臓の病気は、高血圧、糖尿病、高脂血症、痛風などの生活習慣病が引き金になることがあります。塩分をひかえめにしたバランスのよい食事(病状によってはたんぱく質を制限する)、過労をさける、からだを清潔にたもつ、カゼなどの感染症を予防する、といった日常生活のコントロールは、腎臓病にとってもたいせつなことです。
 なお慢性化しても、透析治療などが発達していますので、社会生活は可能ですが、定期診断などで腎臓の状態をつねにチェックしてください。
[受診]
腎臓内科/泌尿器科

赤信号C 心臓はいつも休みなく収縮を繰り返し、からだじゅうに血液をおくりだしていますが、そのポンプのはたらきが低下すると、血液は静脈に停滞してうっ血がおこります。とどこおった血液(水分)は毛細血管にまでおよび、水分がまわりの組織のすきまへとあふれていきます。心臓の機能が低下する心不全(うっ血性心不全)になると、むくみがでるのはこういった理由からです。
 むくみはまず、重力の関係で両足にでて、やがて全身におよびます。むくみがひどくなるとおなかにまで水(腹水)がたまります。体重が増え(尿の量は減ります)、疲労や倦怠感が強くなります。
 また胃腸のうっ血による食欲不振や嘔吐、おなかが張った感じ(膨満感)などもみられます。肝臓も腫れ、右の上腹部ににぶい痛みがでます。
 肺にうっ血して浮腫(肺水腫)ができ、呼吸も苦しくなります。呼吸困難はむくみとともに、心不全でもっともよくみられる症状ですが、これはたいへん苦しく生命の危機もあります。心不全は急性と慢性にわけられますが、とくに急性のほうに重症のことが多く、治療には緊急を要します。
[対策]
予防としては、まず塩分をとりすぎないようにしましょう。ふだんから禁煙、低脂肪の食事、肥満防止、適度な運動などをこころがけることもたいせつです。病気になってしまったら治療は医師にまかせなければなりませんが、自分でも、ベストの体重をたもつ、水分制限や塩分制限をまもる、オーバーワークをさける、カゼをひかないようにする、といったことに気を配ってください。
[受診]
内科/循環器科/心臓外科

 その他の<むくみの症状がある病気>は次のとおり。
●栄養失調症
●肝硬変・肝がん
●強皮症
●甲状腺機能低下症