潰瘍の深さ


潰瘍は、その深さによって4段階に分類される。「びらん(T)」は粘膜が溶けてただれを起こしたもの。潰瘍が粘膜下組織に達すると「軽度(U)」。また、筋層までえぐられると「中等度(V)」、さらに、筋層を突き抜け漿膜まで達すると「重度(W)」とされる。


急性潰瘍と慢性潰瘍の違い

急性潰瘍

慢性潰瘍
「胃体部(胃の中央部分)」や、胃の出口に当たる「幽門前庭部」など、潰瘍のできる範囲が広い。潰瘍は、「広くて浅い、数が多い」のが特徴。 「小弯側(胃の内側の曲線部分)」や、小弯側にある「胃角部」、胃から十二指腸に入ってすぐの「十二指腸球部」など、潰瘍ができる部分は限られている。潰瘍の数は1〜2個程度。


胃・十二指腸潰瘍の原因と治療


急性潰瘍の場合   慢性潰瘍の場合
●強い精神的なストレス
●痛み止めなどの消炎鎮痛薬(NSAIDS
●手術などの身体的ストレス
●ピロリ菌に感染する
●長期間続くストレス
ピロリ菌に感染し、長期的なストレスが加わると、慢性潰瘍が起こる可能性が高くなる。
原因を取り除く
ストレスなどの原因を取り除いたり、原因となる薬の使用を中止する。その後、慢性潰瘍と同様、薬物療法を行うと、約1週間で治る。場合によっては、外科的な治療を行うこともある。
胃酸分泌抑制薬
胃酸の分泌を抑える「H2プロッカー」や「プロトンポンプ阻害薬」などを用いる。補助的に、胃粘膜保護薬を服用することもある。治療には約2か月間かかる。
ピロリ菌の除菌
ピロリ菌に感染している場合は、抗生物質を1〜2週間用いて、ピロリ菌を除菌する場合もある。
外科的治療(腹腔鏡手術)
潰瘍から出血が起こったり、胃潰瘍が進行し、胃に孔が開いた場合は、「内視鏡」を用いて止血したり、「腹腔鏡」を用いて孔を閉じる手術を行う。


日常生活の注意
●ストレスをためないようにする
●規則正しい食習慣を
●アルコールは食事中または食後に飲む
●たばこは控えめに
●睡眠は十分とる
胃・十二指腸潰瘍は、治っても再発しやすい。そのため、日常の生活に気を配り、再発を予防する必要がある。