肥満と高血圧、糖尿病、高脂血症を合併した状態は、
「死の四重奏」と呼ばれています。
肥満がなぜ危険なのかをよく理解しておきましょう。

肥満とは?
体重の多さではなく体内の脂肪の割合で決まる。

「肥満」は、さまざまな病気を招く要因として、広く注意を促されています。中年になって、ウエスト回りが気になっている人も多いでしょう。では、どのくらい体重があると、「肥満」とされるのでしょうか?
 実は肥満とは体重の多さではなく、体内に占める脂肪の割合で決まります。私たちの体は、筋肉や骨、脂肪などの組織で構成されていますが、そのうち、脂肪の割合が多い状態を「肥満」といいます。
 脂肪組織が占める割合を「体脂肪率」といいます。体脂肪率が男性では25%、女性では30%を超えると「肥満」となります。

●BMIが一つの目安
 肥満かどうかを正確に判定するには、全身の脂肪量を測定する必要がありますが、現在のところ、一般の人が正確に体脂肪率を測る方法は確立されていません。
 そこで肥満を簡単に判定する一つの目安として「BMI(ボディ・マス・インデックス)」が広く用いられています。

 日本語で「体格指数」と呼ばれるBMIは、”体重と身長のバランス”と”病気のなりやすさ”の関係を統計的に分析してつくらたもので「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で求められます(左の囲み参照)。
 このBMIが22になるのが、最も病気にかかりにくい体重であることがわかっています(中段グラフ参照)。そこで、BMI22の場合を「標準体重」とし、その前後20%くらいを、健康的な普通の体格としています。
 では、BMIがいくつの場合に肥満と判定されるのでしょうか?以前は、BMI26.4以上の場合を「肥満」と判定していましたが、昨年の日本肥満学会で、「BMI25以上」を肥満とする、新しい判定基準に変更されました。例えば、身長160cmの人の場合、BMIが25になるのは64kgです。つまり、これを超える場合に、「肥満」と判定されるのです。

●肥満と肥満症
 BMI25が新基準として採用されたのは、日本での多くの臨床データから、病気にかかるリスクがBMI22の2倍になる値であることがわかってきたからです。つまり、BMIが25を超えると、高血圧をはじめとする、さまざまな病気にかかりやすくなるのです。
 ただし、肥満=病気というわけではありません。BMIはあくまで肥満度の指標です。肥満と判定された人のうち、すでに肥満と関連する病気をもっていたり、近い将来、病気にかかるリスクが高いと予測されるようなときには、「肥満症」という1つの病気と診断され、減量をはじめとする治療が行われます。

BMI(体格指数)の求め方
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例 160cm 66kg の人の場合
BMI=66÷1.6÷1.6=約25.8
「肥満」を判定する1つの目安として、BMIが用いられる。身長と体重から割り出したBMIが2.5以上の場合を「肥満」とする。

肥満と疾病罹患率
BMIと疾病罹患率の関係を示したグラフ。BMIが22の場合が、いちばん疾病罹患率が低く、25以上になると、疾病罹患率が高くなっていることがわかる。

生活習慣や遺伝的な要因から「肥満」になると、「糖尿病や高脂血症、高血圧」を発症しやすくなる。さらに、「動脈硬化」を促進し、「心臓病や脳卒中」などの死につながる危険な病気を招くことがあるため、肥満と、これらの生活習慣病を合併した状態を「死の四重奏」と呼んでいる。